【心理カウンセリングって何をするの!?】認知行動療法の理論と3つの認知パターン

CBT アイキャチ
  • 認知行動療法って有名だけど、実際どんなことするんだろ… 
  • 認知行動療法って本当に効果があるの? 
  • 認知行動療法でこころが元気になるってちょっとよくわからない。

目に見えない「こころ」は測定、測定が難しく、効果の検証が大変困難です。しかし、認知行動療法は、効果について明確な科学的根拠(エビデンス)を持っています。その分知名度もありますが、理論の難解さも相まって、詳細についてはよく知られていません。

認知行動療法のカウンセリングを利用する前に、ちゃんと詳細を知りたい!!

この記事では、認知行動療法が心の問題をどう捉えて、どのように人が元気になると考えるのか、わかりやすく解説します。記事を読むことで、認知行動療法について詳しく理解できるようになります!

-ライター自己紹介-

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Writer:K.Suzuki
資格:臨床心理士・公認心理師
キャリア:心理職(教育領域・保健領域)
教員(大学・大学院)

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  • この記事は、オンラインカウンセリングを実施しているオフィスのカウンセラーが執筆しています。
  • ライターは臨床心理士・公認心理師ダブルライセンスのこころの専門家です。
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目次

認知行動療法は、今を元気に過ごせる「捉え方」の獲得を目指す心理療法

認知行動療法が目座すのは

物事を否定的に「捉える」から人は悩む

認知行動療法では、私たちが悩むのは「物事を否定的に捉えてしまうから」だと考えます。そして、悩まなくてもすむような、少なくとも、悩みはあるけれど日常生活は送れるような「捉え方」を獲得できるように、クライエントをサポートします。

例えば、ある仕事の成果について「上司に注意された」とします。この出来事をあなたはどのように捉えるでしょうか。

ネガティブな認知

ある人は「上司に怒られ…」と捉えて「できない部下と思われた…」と自信を無くしてしまうかもしれません。

自信がなくなると、次のような気持ちや行動が出てきます。

  • 仕事をするのが億劫になる
  • 周りの目が気になる
  • 夜眠れなくなる
  • 仕事に行けなくなる

これが、認知行動療法における「悩んでいる」状態です。

同じ出来事でも、前向きに「捉える」と悩まない

しかし、「上司に注意された」という出来事にも、別の人は全く違う捉え方をします。さらに、場合によっては成長の機会にしてしまう人すらいます。

ポジティブな捉え方

「上司に注意された」という出来事を「上司に指導してもらった」と捉え「そっか、そいういうやり方をすれば、もっと良くできたのか!」と前向きに考え、次の機会に活かすのです。全く同じ出来事でも、捉え方によって、結果が全然違います。

気持ちが前向きになると、次のような考えや行動が出てきます。

  • 楽しいと感じることが多くなる。
  • 自分を肯定的に捉えられるようになる。
  • 夜ぐっすり眠れる。
  • 仕事が楽しくなる。

「捉え方」はその人固有の癖なんです

実は、「捉え方」というのはその人の癖でしかありません。あなたが絶望するような出来事も、他の人からしたら「取るに足らないこと」や、「成長のチャンス」であることも多いです。もちろんその逆も然りで、他の人が絶望するような出来事も、あなたにとっては取るに足らないことであったりもします。

「捉え方」の修正をお手伝いするのが認知行動療法のカウンセラー

認知行動療法は、この「捉え方」の修正を目指します。しかし「捉え方」を修正するのは、とっても大変です。

認知をかえるのは難しい

「捉え方」は幼い頃からあなたに刷り込まれてきたものなのです。ですから、そう簡単に修正できません。そこで登場するのが認知行動療法のカウンセラーです。あなたが今より少しでも生きやすい考え方ができるように、お手伝いすをします。

>>認知行動療法以外の心理療法については、こちらをご覧ください。

認知行動療法では、認知を起点とした負の連鎖を想定します

悪いように捉えちゃう

私たちは、毎日認知しながら生活している

認知行動療法は、日常生活を送るなかで出くわす出来事をどう「捉える」かに注目します。そして、この「どう捉えるか」が「認知」です。

どう捉えるかが認知

そして、「認知」を起点とし、て私たちは様々な連鎖反応を起こします。連鎖反応は、主に「認知」「感情」「行動」「身体」で生じます。

認知の連鎖

この「認知」「感情」「行動」「身体」の連鎖は、一方通行ではなく相互作用であり、さらに循環しています。この連鎖が悪い方向に向かってしまている状態が、私たちの「悩んでいる」状態です。

認知の連鎖が悪い方向に進んでしまうのが悩んでいる状態

連鎖が悪い方向に向かっているというのは、例えば次のような状態です。

負の連鎖
  1. 上司に注意されたことに対して
  2. できない部下と思われた…(認知)と捉え
  3. 気分が落ち込み(感情)
  4. ミスが多くなり(行動
  5. より一層気分が落ち込んで(感情)
  6. 食欲がなくなってきた(身体)
  7. その様子を上司に「体調管理も仕事のうち」と指摘され
  8. さらに「自分はダメだ…(認知)」と考えるようになってしまった。

このように、個人のなかで生じた負の連鎖はどんどん大きくなり、最終的には「眠れない」「仕事に行けない」「学校に行けない」といった現実的な問題に発展します。そして、自分ではどうすることもできなくなり、クライエントはカウンセリングに訪れるのです。

負の連鎖を引き起こす認知パターン3選

パターンがある

実は、負の連鎖を引き起こす認知は、いくつかのパターンに分類できます。つまり、悩んでいる人のこころには、共通点があるということです。

この記事では、そのなかでも特に代表的な3つのパターンを紹介します。

すべき思考

「すべき思考」は、なにごとにも「〇〇すべき」と考えてしまう傾向のことです。

すべき思考

例えば次のような例が挙げられます。

  • 仕事は全力で取り組むべき!
  • 夕食は毎日手作りすへき!
  • 勉強は毎日するべき!

ある程度「べき」を持っていることは社会生活を送るうえで大切です。しかし、過剰になると、頭のなかが「べき」でいっぱいになって身動きがとれなくなり、とっても生きづらくなってしまいます。

0か100か

物事すべて0か100かで考えてしまう傾向のことです。

0か100か

例えば次のような例が挙げられます。

  • ダイエットするぞ!今日から毎日10キロ走る!!
  • 失敗は許されない!やるならとことん!寝る間も惜しんで仕事する!
  • ちょっと失敗しちゃったらもうやる気なくなっちゃった。やらないって決めたらもう絶対何にもしませんよ…

ひとことでいうと、「極端な性格」です。0のときは何もしませんが、100のときは周りを置き去りにして突っ走ります。100で走り続けてスタミナが切れると急に0の状態になるパターンを繰り返す人も多く、激しい上がり下がりで身体的にも精神的にも疲弊しやすい性格です。

マイナス思考

物事を全て否定的に考えてしまう傾向のことでです。

マイナス思考

例えば、次のような例が挙げられます。

  • 今回のテストは90点だった…10点も間違って、だめだなあ…
  • どうせ自分なんて評価されない。どこにも就職できないんじゃないかな…
  • 自分はダメだから。頑張っても無駄。仕事も勉強も、なんにもできないよ。

マイナス思考を持っている人は、物事の悪い側面にばかり注目してしまいます。そして、良い側面に注目することに対して「調子にのっている」「慢心している」と否定的な気持ちを抱いてしまうことが多いです。マイナス思考が続くと自己肯定感が下がり、こころの健康に良くないことが生じてしまいます。

他のパターン

>>他の認知パターンについて知りたい方はこちらをご覧ください。

認知行動療法は、毎日を元気に過ごせる認知を手に入れることを目指します

元気に過ごせる認知を

認知行動療法の焦点は認知

認知行動療法が焦点を当てるのは「認知」です。

程よく考える

物事や出来事を前向きに、もしくは、悲観的になりすぎずに捉えられるようになることを目指します。そうして認知が変われば負の連鎖に歯止めをかけることができるし、そうすることで、今より元気に毎日を過ごせるようになります

認知を変えるために、対話だけじゃなくツールや課題も使います

様々な介入方法

認知を変えると言葉にするのは簡単ですが、実際に行うのはとっても難しいです。認知行動療法のカウンセラーは、ほんとうにあの手この手でクライエントをサポートします。例えば、次のような方法があります。

日記をつける課題

気持ちが落ち込んだときに生じた出来事をメモしておいて、カウンセラーと「どんなときに気持ちが落ち込むのか」生理したり「本当に落ち込むようなことだったのか」確認したります。

心理教育

クライエントの役にたつ心理学の知識をお伝えしします。例えば次のような内容です。

  • こころが落ち込む考え方の癖
  • リラックスする方法
  • ストレスとどう付き合うか
  • 人との適切な距離の取り方

対話によるカウンセリング

もちろん、対話によるカウンセリングも主ないます。クライエントの話を傾聴しながら、認知の妥当性についてよく吟味します。また、対話を通じて見出したクライエントに生じている「認知」「感情」「行動」「身体」の負の連鎖を図にして説明したりもします。

そのほかにも、認知行動療法にはクライエントの認知を変えるための様々な技法があります

>>詳細はこちらをご覧ください(coming  soon)

記事のまとめ

認知行動療法の目玉は次の2つです。

  1. 科学的根拠のある心理療法
  2. 具体的な技法が整理されている

こころという目に見えない対象を扱いながら、効果を検証するために、クライエントに対する具体的な介入方法がしっかりと体系化されています。

保険診療の対象になることもあり、比較的私たちの身近にある心理療法ともいえます。

認知行動療法のカウンセリングを希望する方は、予約の際に「認知行動療法を受けてみたい」とカウンセラーに相談しましょう。

オンラインカウンセリングを利用したい方へ

当オフィスは臨床心理士/公認心理師によるオンラインカウンセリングを実施しています。オフィスの詳細やカウンセリングのご予約はこちらのページをご覧ください。

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