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【カウンセリングを受けたいあなたへ】来談者中心療法の実際と3つの条件をわかりやすく解説!
- カウンセリングでこころが元気になる理由が知りたい!
- 話を聞いてもらうことってそんなに重要?
- カウンセリングが本当に自分の役に立つか知りたい!
カウンセリグ、受けたいけどほんとに役に立つのかな…
カウンセリングを検討している人の多くが抱える疑問です。「カウンセリングで元気になれる」というのは、一見納得できるようで、全くできない。それは、「カウンセリングが何で役に立つかがわからない」からです。
この記事では、カウンセリングの流派のなかでも、特に有名な来談者中心療法の立場から、「なぜカウンセリングで元気になるのか」について解説します。記事を読むことで、カウンセリングにつて、今より詳しく理解することができます!
-ライター自己紹介-
Writer:K.Suzuki
資格:臨床心理士・公認心理師
キャリア:心理職(教育領域・保健領域)
教員(大学・大学院)
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- この記事は、オンラインカウンセリングを実施しているオフィスのカウンセラーが執筆しています。
- ライターは臨床心理士・公認心理師ダブルライセンスのこころの専門家です。
- オンラインカウンセリングの利用を検討している人に役立つ情報を発信しています!
当オフィスは臨床心理士/公認心理師によるオンラインカウンセリングを実施しています。オフィスの詳細やカウンセリングのご予約はこちらのページをご覧ください。
来談者中心療法と3つの条件
>>来談者中心療法の全体像が知りたい方はこちらのページをご覧ください。
来談者中心療法は日本で一番有名なカウンセリングの流派
来談者中心療法は、1940年にカール・ロジャースによってアメリカで創始されたカウンセリングの流派です。
わかりやすい明快な理論が特徴で、心理カウンセリングの専門家だけでなく、対人援助職や企業のメンタルヘルスの担当者がカウンセリングのエッセンスを学ぶ際に、よく題材にされています。
カウンセラーは「黙って話を聞いてくれる人」というイメージが強いですが、これは、来談者中心療法の「3つの条件」に強く影響されたカウンセラー像です。
有名な3つの条件「受容」「共感」「自己一致」
来談者中心療法で特に有名な「3つの条件」とは、「受容」「共感」「自己一致」です。
- 「受容」は、クライエントの話を批判・評価することなく受け入れること。
- 「共感」はクライエントの感情を「あたかも」自分のことのように感じること。
- 「自己一致」は、カウンセラーがクライエントとの関係のなかで経験しているこころの揺れや痛みを素直に感じることができていることです。
来談者中心療法を学ぶときは、この「3つの条件」をカウンセラーの基本的態度として学びます。そして、「3つの条件」が備わっていれば、クライエントの役に立つカウンセリングができると教わるのです。
「3つの条件」だけでクライエントが元気になるわけではない
実は、この「3つの条件」が揃っているだけではクライエントが元気になることはありません。
カウンセリングは、カウンセラーとクライエントの共同作業です。そして「3つの条件」は、あくまでカウンセラーの態度でしかないのです。
来談者中心療法のカウンセラーは、カウンセリングを行うために、「3つの条件」を揃えることは大前提として、クライエントと共同作業をするための準備をしかりとおこなっています。その準備が次に説明する「6つの必要十分条件」です。
来談者中心療法のカウンセリングが成立するには「6つの必要十分条件」が必要
「6つの必要十分条件」は、クライエントとカウンセラーが共同作業でカウンセリングをするための条件
来談者中心療法における「6つの必要十分条件」とは、有名な「3つの条件」を含む、カウンセリングが成り立つための条件です。
「3つの条件」に加えて、さらに3つ条件があります。この3つは、来談者中心療法のカウンセリングが成り立つ前提のようなものです。
内容は、次の通りです。
- クライエントとカウンセラーの間に深い関係が築かれている。
- クライエントは不一致で悩んでいる。
- カウンセラーの「3つの条件」がクライエントに伝わっている。
各項目について詳しく説明していきます!
クライエントとカウンセラーの間に深い関係が築かれていること
カウンセラーがいくらこころの専門家といっても、クライエントは、関係が浅い相手に自分の心の真実を語ることはできません。
クライエントとカウンセラーの関係は双方向です。この関係を説明する言葉のひとつに「深い関係」があります。
深い関係とは、クライエントとカウンセラーがお互いに「この人の人生にわずかでも自分は影響を与えている」と感じられるような関係のことです。
このような関係性は一朝一夕で築けるものではなく、時間をかけて築きます。また、カウンセラーが話を聞いているだけで築けるものでもありません。
関係を築くために来談者中心療法のカウンセラーは、自己一致している姿をクライエントに示します。
そのために、カウンセラーがクライエントとの関係の中で感じる「悲しみ」「怒り」「喜び」を率直にクライエントに伝えることもあります。
来談者中心療法のカウンセラーは、そうしたまっすぐクライエントに向かい合う姿を通じて深い関係性が築けると信じています。
クライエントは不一致に悩んでいる
不一致に悩むというのは、ピンとこない表現かもしれません。不一致とは、今本当は感じているこころの揺れや痛みを素直に認識できない状態のことをいいます。
こころが感じていることをちゃんと認識するのは大切なことです。
例えば、本当はすごく悲しいのにそのことに気がつけない人がいます。
悲しみはこころが傷ついている証拠です。「悲しみを抱えたこころ」が誰にも気づかれずに放置されてしまうと、徐々に化膿して取り返しのつかないことになってしまいます。
同じようなことが「怒り」「孤独」「不安」などさまざまな感情で生じます。
カウンセラーの「3つの条件」がクライエントに伝わっている
「3つの条件」とは、「受容」「共感」「自己一致」のことです。カウンセラーがクライエントを受け入れ、共感し、自己一致(関係のなかで感じたことを素直じ感じること)できていたとしても、それがクライエントに伝わっていないと意味がありません。
クライエントの体験としては、「受け入れてもらっている」「共感してもらっている」「このカウンセラーは自分が感じていることを率直に伝えてくれている」と感じられるということです。
こうした体験が、クライエントとカウンセラーの関係性をさらに深いものにして、より密度の濃いカウンセリングができるようになります。
深い関係性があるから、自分の本当のこころを語れる
カウンセリングは「元気になる」や「成長する」など、なんらかの目的を持ってはじめるものです。
そんな枠のなかで、深い関係性を築いた信頼できる相手と対話していると、クライエントは、少しずつ「自分」について語れるようになります。そして、自然とこころの奥に抱え込んでいた苦しみの本質を語れるようになります。
クライエントの苦しみを聴いたカウンセラーは、共感して、何を感じたのか、率直に伝え返します。
そんなやりとりを、何度も何度も繰り返します。とても地道な作業ですが、その繰り返しのなかで、少しずつ、クライエントは自己一致に向かっていきます。
苦しみの本質は、不一致に由来していて、元気になることは、自己一致へと向かうことだと来談者中心療法では考えます。
「言葉にする」「文字にする」「絵を描く」など苦しみを表現するための方法はたくさんあります。しかし、信頼できる相手との対話のなかで表現するというのは、格別に役に立つ行為です。なぜなら、それは誰かと一緒に苦しみを抱えることができるということだからです。とてもクライエントの助けになる行為です。
カウンセリングで起こること【具体的に】
クライエントが自身で気づけていない感情に気づく
カウンセリングを続けていると、対話のなかで、ときにクライエント自身も意識できていない感情にカウンセラーが気づくことがあります。
例えば、クライエントの話を聞きながらカウンセラーが「悲しさ」を感じたとします。
これは「共感」の力で、クライエントの感情をカウンセラーがあたかも自分のことのように感じている状態です。
「あなたの話を聞いて、とても悲しい気持ちになった」と言葉で伝えることもあれば、あるときはクライエントの代わりに涙を流すこともあります。
そのように共感をフィードバックするのです。
ときには、カウンセラーのフィードバックが受け入れ難いこともあるでしょう。
クライエントは無理にカウンセラーのフィードバックを受け取る必要はありません。受け取れる準備が整っていれば受け取れば良いし、カウンセラーの表現がズレている気がしたら、率直にそのことを伝えても良いです。
カウンセラーの「共感」も決して完璧ではありませんのでズレが生じることもあります。そのズレについて、一緒に語り合うことも、クライエントの一致への過程を支えます。
カウンセラーが率直に自分の気持ちを伝える
来談者中心療法では「受容」が大切といいますが、カウンセラーは自分に嘘をついてまで「受容」するわけではありません。
例えば、カウンセラーも、クライエントの話を聴きながらどうしても受け入れられないと感じることもあります。
そんなとき、カウンセラーが自分のこころに蓋をして、ニコニコとクライエントの話を受け入れてしまうと、そこには「不一致」が生じてしまいます。
クライエントにとっても、本当の自分を隠して話を合わせてくるようなカウンセラーには、こころの真実は語れません。
ときにカウンセラーは、率直に自分の「受け入れられない」気持ちをクライエントに伝えます。そして、その受け入れられなさについて対話を試みます。
同様に、カウンセラーがクライエントに対して、関係のなかで感じた「怒り」「悲しみ」「憤り」を率直にクライエントに伝えることもあります。
こうした正直さが深い関係性の礎となり、クライエントは、自分も率直に、こころの内をカウンセラーに語れるようになります。
来談者中心療法は、「6つの必要十分条件」を軸に展開されます
来談者中心療法は「受容」「共感」「自己一致」の「3つの条件」が有名です。
しかし「3つの条件」だけでクライエントの役に立てるわけではなく、「3つの条件」を含む「6つの必要十分条件」が揃っていることが大切です。
「6つの必要十分条件」を揃えるのは容易ではありません。クライエントと手を取り合いながら、ときには真正面からぶつかることも必要です。
そうして築いた信頼関係が基盤にあって、はじめて役にたつカウンセリングができます。
>>来談者中心療法以外の心理療法について知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
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