【臨床心理士を3つのポイントからわかりやすく解説!】カウンセラー・カウンセリングの資格

臨床心理士 アイキャッチ

2023.03.16.掲載

  • 臨床心理士って本当に信頼できるの?
  • ちゃんと秘密を守ってくれるのかな…
  • カウンセリングを予約する前に臨床心理士についてちゃんと知りたいよ…

臨床心理士って、名前は有名なのに、実際何をしている人なのか知っている人は少ないですよね…

よくわからない人に自分の話をするのは嫌だ!!

特に、オンラインでカウンセリングを申し込もうとするときは、臨床心理士について誰からも説明を受けるこができないので、不安に思う方も多いです。この記事では「臨床心理士って何?」をはっきりさせるために、次の3つのポイントを解説します。カウンセリングを利用するにあたって、あなたが感じる不安を解消するお手伝いをします。

  • ポイント3:臨床心理士は大学院で臨床心理学を修めた専門家
  • ポイント2:臨床心理士ができることは「心理療法」「発達支援」「心理教育」の3つ
  • ポイント1:守秘義務や倫理に対する徹底したルール

ライター自己紹介-

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Writer:K.Suzuki
資格:臨床心理士・公認心理師
キャリア:心理職(教育領域・保健領域)
教員(大学・大学院)

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  • この記事は、オンラインカウンセリングを実施しているオフィスのカウンセラーが執筆しています。
  • ライターは臨床心理士・公認心理師ダブルライセンスのこころの専門家です。
  • オンラインカウンセリングの利用を検討している人に役立つ情報を発信しています!

この記事は、オンラインカウンセリングを専門とする機関が運営しています。詳細はこちらをご覧ください。

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目次

臨床心理士は日本で一番歴史のあるカウンセリングの専門家

歴史を作った臨床心理士

臨床心理士3つのポイントを説明する前に、まず臨床心理士の歴史について簡単に説明します。

臨床心理士は、1988年(約30年前)にできた日本で最初の心理学系の資格

1988年に臨床心理士資格ができるまで、日本のカウンセラーは、個人的に、もしくは病院や地域の小さなコミュニティで心理学を学び、実践していました。

昔は小さなコミュニティだった

「このままじゃ良くないよね」「みんなで学べる環境を整えたいよね」そんな声が集まり「日本臨床心理士資格認定協会」は発足し、1988年、ついに「臨床心理士」資格が誕生しました。

日本各地に臨床心理士会が誕生し、有資格者をしっかりとサポートできるようになった

臨床心理士資格ができると、日本各地に「臨床心理士会」が誕生しました。

臨床心理士会の誕生

臨床心理士会は、埼玉県臨床心理士会や、群馬県臨床心理士会のように、県単位で設置されています。臨床心理士会は、定期的に勉強会や研究会を開催して、心理職の技能向上を力強く支えました。

生涯学習を支えてくれる

多くの臨床心理士会では、県全体で行う数百人単位の大規模な勉強会や研修会がある他、地区単位や同じ心理療法に興味がある人などが集まって行う数人規模の研究会があります。

このように、臨床心理士同士の学習の場が保証されたことが、臨床心理士資格ができたことによる特に大きな功績です。

臨床心理士会の多くは、「公認心理師協会」と名前を変えていますが、今でもしっかりと機能しています。

臨床心理士は、様々な領域で信頼を積み重ねてきた

臨床心理士は、病院学校はもちろん、福祉施設司法矯正など様々な領域で活躍しています。

様々な領域で活躍した

その活躍は、臨床心理士会の広報誌や、関連の学会での報告、有識者によって書かれた書籍など、様々なかたちで発表されてきました。そうして積み重ねられた信頼は次第に大きくなり、今のように知名度もある資格になったのです。

今では、臨床心理士は、文部科学省にも認可される資格となり、民間の資格でありながら、国の事業であるスクールカウンセラーの応募条件に入るなど、社会的な信用がしっかりと確立しています。

臨床心理士を知るための3つのポイント

さて、そんな臨床心理士ですが「実際に何をしてくれる人なのか?」そこが一番知りたいポイントですよね。そこで、次に、「これだけ知っていれば臨床心理士がわかる!」3つのポイントをお伝えします!

3つのポイントとは、次のとおりです。

  • 臨床心理士は大学院で臨床心理学を修めた専門家
  • 臨床心理士の専門は「心理療法」「発達支援」「メンタルヘルス」
  • 臨床心理士には守秘義務や倫理については徹底したルールがある

ポイント1:臨床心理士は大学院で臨床心理学を修めた専門家

大学院で学ぶこと

臨床心理士資格は大学院の修了が必須条件

臨床心理士の高い専門性に一番貢献しているのは「大学院の修了」が資格取得の必須条件になっている点です。大学院生は、次の3つの柱で臨床心理学を学びます。

  1. 学問
  2. 実習
  3. 研究

大学院で学ぶ学問は臨床心理学

大学院で学ぶのは臨床心理学

臨床心理学には、様々な流派があります。授業では、各流派の専門家である教員からじっくり学ぶ機会を得ます。大学院は基本的に少人数で授業を行うので、非常に密度の濃い学びになります。

実習では現場に触れて学びを深める

現場に触れる実習

実習は、大学院に付属しているカウンセリングルームで行う「内部実習」と、地域の病院や施設などに出て行う「外部実習」があります。実習を通じて、カウンセリングの実際、心理検査のやり方、地域でどのように活動したら良いのか、など、心理支援の実際に触れます。

研究は生涯学習の基盤になる

研究は生涯学習の基盤

大学院では、学習と同時に、研究に従事します。大学院修了後は、研究からは脚を洗う臨床心理士も多いです。しかし、臨床心理学は学問ですから、研究の蓄積です。研究は論文や書籍のかたちで発表されますが、研究の基礎がないと、論文や難しい書籍を読み込むことができません。

臨床心理士は、最新の研究の成果に触れるために大学院で研究の基礎を学ぶのです。

ポイント2:臨床心理士ができることは「心理療法」「発達支援」「心理教育」の3つ

臨床心理士にできること

臨床心理士はどんな支援をしてくれるのか?

臨床心理士が実際に行う心理支援は大きくわけて次の3つです。

  1. 心理療法
  2. 発達支援
  3. 心理教育

心理療法はカウンセリングのこと

心理療法

心理療法はカウンセリングをイメージすると良いです。カウンセリングルームではカウンセラーとクライエントが対話をしながらクライエントの問題について考えます

え?それが心理療法なの?
対話をするだけで心理支援ができるの?

そう思われるかもしれませんが、結論からいうと、できます。カウンセリングには様々な流派があります。例えば次のように。

  • 精神分析
  • 来談者中心療法
  • 認知行動療法
心理療法には歴史がある

心理療法には100年以上の歴史があります。長い年月にわたり、何千何万という研究者が、対話を通じてどのようにこころを元気にするか。ひたすらに考え続けてきました。先に挙げた3つは、その中で生まれた代表的な流派です。詳細は別の記事に譲りますが、数多の先人達の蓄積により、心理療法(カウンセリング)は支えられています。

>>心理療法(カウンセリング)がどのようにこころを元気にするかについてはこちらをご覧ください。

発達支援は発達に偏りがある人が日々を過ごしやすくするための支援

臨床心理士というと、カウンセリングをイメージする方が多いですが、実は、「発達支援」も大切な仕事のひとつです。「発達支援」は、発達の偏りを持つ人に対する支援です。

発達の支援

発達障害の診断を受けている方や発達の偏りを持つ人の「社会適応」「苦手を抱えながら健やかに生活していく方法」を支援します。

例えば、次のようなテーマで当事者や関係者に助言を行うことができます。

  • どうすればトラブルを起こさず人と関われるか
  • 文字を読むのが苦手な人が授業を受けるときどんな工夫ができるか
  • すぐ乱暴な行動をしてしまうのだけど、どうやって気持ちを沈めたら良いか
  • クラスでじっとしていられない生徒がいるのだが、どう対応したら良いか
  • 子どもが発達障害と言われたのだけれど、どう関わっていったら良いだろうか

臨床心理士は大学院で「発達心理学」についても学んでいますし、発達支援を軸にしてトレーニングを行っている人はとっても多いです。

自分の専門

心理療法とは少し異なりますが、発達の偏りで困っているクライエントに対して、カウンセリングという枠のなかで支援を行うこともあります。「人との関わり方の練習」「自分の気持ちをどう扱うか」というテーマで、少し訓練のニュアンスの強いカウンセリングを行います。

心理教育はこころの健康に関する情報提供です

心理教育は、こころの健康や心理支援に関する情報提供です。

例えば次のような内容で情報提供ができます。

  • ストレスとの上手な付き合い方
  • 子どもが学校にいけないときにどのように対応したら良いか
  • 気分の波とどのように付き合っていけば良いか
  • 上手な人間関係の作り方
心理教育

こうした心理教育は、地方自治体や大学などが地域貢献の一環で講演会として行っていることが多いですが、カウンセリングで、1対1のやりとりのなかで行うこともできます。心理療法的なカウンセリングとは異なりますが、カウンセリングを予約した目的を「臨床心理士からアドバイスが欲しい」と伝えると、心理教育の枠で応じてくれる臨床心理士は多いです。

ポイント3:守秘義務や倫理に対する徹底したルール

倫理

カウンセリングで話した内容は、家族でもクライエントの許可なく人に話すことはありません

臨床心理士には守秘義務があるので、家族であっても、カウンセリングで語られた内容をクライエントの許可を得ずに人に話すことはありません。

守秘義務

「カウンセリングで話した内容が家族や関係者に知られるのではないか」そう心配する人はとても多いです。例え本人より家族が積極的にカウンセリングの予約をとっているような場合でも、臨床心理士がクライエントより家族を優先して情報提供することはありません。ですので、安心してカウンセリングを利用できます。

子どものカウンセリングでも、基本的には「このことはお母さんにお話して大丈夫かな?」などと確認することになっています。

ただし、例外はあり、自傷他害の恐れがある場合や、法令に定められた理由により、公的機関より情報開示を求められた場合は、適切な関係者及び機関と情報を共有して対応します。

臨床心理士は、専門職として徹底した倫理観を持っています

臨床心理士は、専門職としての倫理をとても大切にします。倫理をおざなりにしてしまうと、カウンセリングが成立しなくなってしまうからです。

一番わかりやすいのは、カウンセラーとクライエントの多重関係です。

多重関係

カウンセラーは、クライエントとカウンセラー以外の立場で関わることはありません。なぜなら、例えば友人関係など、カウンセラーがクライエントとカウンセリングの契約を超えて関係を結んでしまうと、カウンセリングが成立しなくなってしまうからです。

ときにカウンセラーは、友人にも親にも先生にも話せないデリケートなこころの内を聴くことになります。そんなデリケートな話は、カウンセラーはカウンセラーだから聴けるのです。

倫理は守る

このように、クライエントにとって専門職であり続けるために、臨床心理士は、徹底した倫理観を持ってカウンセリングに臨みます。

臨床心理士は徹底した訓練を受けた心理支援のプロフェッショナル

臨床心理士は、大学院や終了後の生涯学習を通じて徹底した訓練を受けた心理支援のプロフェッショナルです。

100年以上の歴史がある心理療法について体系的に学習しており、対話を通じてクライエントのこころの健康をサポートします。

守秘義務をはじめ、職業倫理もしっかりと備えているため、クライエントは、安心してカウンセリングで自分のことを語れます。

心理カウンセリングを利用しようとして、どこに予約をしたら良いか迷ったときは、ぜひ、臨床心理士を選んでください。

オンラインカウンセリングを利用したい方へ

当記事を公開しているカウンセリングオフィスは、臨床心理士・公認心理師によるオンラインカウンセリングを行っています。詳細はこちらからご覧ください。

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